2011年9月26日月曜日

Class5吉野川ツアーその3~大歩危600t~


919日は吉野川大歩危セクションに行きました。
前夜はまだ池田ダム流入量は1000t以上でしたが、明けてみると600/s台に下がっていました。豊永水位も2.8mとなりラフトも出るようです。まだ小歩危には無理な水位のようですが、天気も快晴!気持ちよく宿の阿波池田ユースホステルを出発しました。
昨日のゴールだった豊永が今日のスタートです。この日のコースは真ん中までの約12Km。吉野川は昨日の濁った茶色から、深い緑色へと変わっていました。ただ昨日より水が減ったとはいえ、去年の30/s台と比べようもないど迫力。近くで見るとすこし怯んでしまうほどです。
さて、いよいよ出発。自らを鼓舞しながらこぎ出しました。まずは豊永の瀬。去年は右カーブの左岸エディを取りながら下っていったように思いますが、とても外側に近づく余裕はありません。中央から右によって進みます。流速も早く波も大きいので、前のメンバーについて行くのが精一杯。つい目の前の波ばかり見ていました。瀬の出口付近でふと気づくと、目の前に巨大ホールが出現。しかも中にはすでに沈したカヤックが二つ船底をこちらにみせています。避けられない!それに前のカヤックの人がロールを試みると私のカヤックで直撃するかも知れない。とっさの判断で漕ぎ抜けるよりは、スピードを緩めることを選択し、ブレーキをかけながらホールに突入しました。すると強烈な巻き!直ちに沈しました。セットもできないほど強烈に身体が川底の方に引きずられます。そのまま我慢、我慢でおとなしくしているとしばらくして少し引きが弱くなりセット可能になりました。なんとかロールで起き上がろうとしましたが、周囲はサイダーの中みたいにアワアワ状態。ぜんぜんパドルが効きかずに起き上がれません。再度試みると、一瞬だけからだが水上に出ましたがすぐまた沈。相当息がきつくなってきました。これでだめなら脱は覚悟と、最後の力を振り絞って3度目のロールを試みたところようやく成功。ほっとしたのも束の間。周りを見ると沈脱のパレードでした。息が切れていてとてもレスキューのできる余力はありませんでしたが、なんとか誰かのパドル1本だけ確保。
瀬が大きすぎて何処で誰が漕いでいるかよくわからないくらいです

二人のガイドの活躍で皆さん何とか無事。いや、きつかった。もう前の人は信用しない、自分でしっかり流れを見るぞと本心から反省しました。でもこれでみんなの緊張もほぐれ、このハイウォーターにも慣れてきました。その後は三段、岩原、国境の瀬がありましたが皆さんしっかり攻略していました。またこれらの瀬の間は、去年は全くのトロ場だったのですが、この水位ではさすがに違います。強いボイルや大きな三角波が各所にあり、気の抜ける所がありません。また逆に何処も凄く楽しい。私自身のことを言うと、前日の穴内川では船のコントロールが充分できず、すこしドタバタした感じでした。しかし上野氏のアドバイスでパドルをより深くさす事を意識したところ、そこそこ思うように船の進められた気がします。ただ、画像を見るとまだ自分の周りを漕いでますね。もっと前方の水をとらえないとね。
やがてゴールの真ん中に着いた時は、達成感と一体感でみんな高揚していました。ほんと、素晴らしい経験ができました。楽しかったし、充実していました。

自分を鼓舞しないと瀬に出る勇気も出てこないほどです
フリースタイルのトリックではなく、ダウンリバーです

ゴールに上がってからしばらくすると、激しく雨が降ってきました。漕いでいる間でなくて良かった!よほど普段の行いが良い人がいるのですね。でも雨にるれてさむいので、オヤジ3人衆はスプレースカートを着てしのいでいました。これが結構いいんですよ。こんど流行らせましょう。
最高の時間を共有できた仲間達の笑顔 
冷たい雨には、この格好が結構良いんです



着替えてからは5時過ぎに大歩危駅から汽車に乗り、岡山から新幹線に乗って帰りました。
ぜひまた来年も、この川に帰ってきたいですね。

2011年9月25日日曜日

Class5吉野川ツアーその2~穴内川~

918日は穴内川(あなないがわ)に行きました。
ツアーの予定ではこの日は小歩危を漕ぐことになっていました。しかし朝になっても池田ダム流入量1700t/分とまだまだ大増水。豊永水位3m以下でないと吉野川のラフトが出せないそうですが、3.8m以上あったようです。このためYararengerさんと上野氏が地元ガイドに照会してくれ、こんな日でも下れそうな穴内川を探し出してくれました。この川は普段は水が少なくて下れないようですが、吉野川が増水で下れないときだけ航行可能になるようです。どんな川か、みんなワクワクしながら準備し、9時前には宿を出ます。途中で見える吉野川は濁流かつ激流。かなり上を走る道路から見ても巨大な波やホールがそこここに見られ、近づくのも怖いくらいでした。3000tの昨日はさらに凄かったとのことです。
さて一行は豊永の吉野川大歩危スタート地点をへてさらに上流に向かいます。大田口の少し上流で吉野川と別れ、いよいよ穴内川が見えてきました。川幅は20mくらいでしょうか。このあたりでは比較的穏やかに流れているようです。そして上流に行くにつれ、次第に傾斜が強くなり、白く波立っているところが増えてきました。ただ車内から見る限り、楽勝かな、なんて思っていたのですが・・・。吉野川から分かれて約6Kmほどでスタートの道の駅大杉に到着。道路に下りて川を見ると、車内で見たよりかなり迫力があります。着替えなど準備を始めたところ、突然強い雨が降り出しました。この先いったいどうなるのか、不安と期待が入り交じります。
 スタート地点から見た穴内川

装備を調え河原に下りて行くと、川はさらに迫力を増していました。道路で見たよりも実際にはさらに傾斜が強く、流れも速くて複雑でした。このツアーで初めて漕ぐと言うこともあり、私も含めメンバーはみな緊張気味。さていよいよ出発です。Yararengerさんが先導し、上野氏が全体を見る感じでツアーが始まりました。するといきなり激しい瀬が3つ連続。Class4の瀬ではないでしょうか。私も含め沈が続出。初めの数百メートルを進むのに1時間はかかったと思います。この日のコース後半は吉野川をくだり、豊永がゴールの約13kmです。本当にそんな遠くまでたどり着けるのか、と言うくらい難しく、慎重に進む必要がありました。スタート1km少しをくだったところでもう昼食。でもこの頃になるとメンバーも激流に慣れ、表情も和らいできました。その後も所々激しい瀬がありましたが、みなさんクリア。次第に川の傾斜は緩やかになってきました。

 初めのいくつかの瀬ははこんな感じが続きます、これでゴールまでたどり着けるのか?

吉野川との合流地点まで来てもこの日のコースはまだ半分の距離を残していましたが、その後は流れが速く一気でした。まあ、1600tの吉野川を漕いだと言うだけでちょっと凄い経験かな。吉野川のこの部分には基本的に瀬はありませんでしたが、所々に巨大なスタンディングウェーブが現れます。そして川の中央部などにも大きなボイルがあちこちにあり、これをうまく利用すると割と早く進めました。
穴内川の後半も所々大きな瀬が現れます 
めちゃめちゃカッコイイ上野氏の写真
 吉野川に入るとこんな感じ。強烈なボイルを利用しながら進みます。

4時前には全員無事豊永にゴール。着替えた後はとんちゃんでどんちゃん騒ぎ?!焼き肉で満腹になった後は吉野川ハイウエイオアシス「美濃田の湯」に浸かって宿に帰りました。滅多に漕げない貴重な川を、しかも濃い内容で漕ぎ終えて一同大満足の夜を迎えました。
動画はこちらでご覧ください。
 


2011年9月23日金曜日

Class5吉野川ツアーその1~序章~

9月18から19日はClass5吉野川ツアーに行ってきました。
しかし、川に行くまでにすでに冒険が始まっていたのでまずはそこから書き出します。
出発は917()午後、3時に自宅を出ました。つくばエクスプレスに乗って秋葉原、その後浜松町からモノレールで羽田第二ターミナルへ。飛行機は1855分発のANA高知龍馬空港行き。昨年の吉野川ツアーと全く同じ便です。18時頃、一緒に行くはずのヘタッピカヤッカーさんと合流すべく携帯に電話。23番のカウンターの前でと言ってもいつまでも来ません。居場所を話してもなんとなくずれている・・?と、なんとへたっぴカヤッカーさんは第一ターミナルにいることが判明。なんで??と、彼は同じ1855分に第一ターミナルから出発の高知龍馬空港行きJAL便のチケットを買っていたのでした。いやはや、同じ時間、同じ目的地で別会社の便があるのですね、びっくり。まあ仕方ない。高知で会うことにして一人で腹ごしらえ。そして保安検査を通ろうとすると何度も繰り返し荷物を検査されます。どうもリュックに入れたiPadで中が良く透視できないらしい。結局リュックからiPadを出してからまた検査。そうしたら今度は小さな携帯工具が問題に。ドライバーやペンチなどが折りたたんでワンセットになっているあれです。たしかに、機内持ち込みは危険と判断されても仕方ありません。これを取り出して、小さな段ボール箱に入れられ高知空港で受け取ることになりました。まあ良いか。再度保安検査を通ってようやく搭乗口へ。
飛行機はいつも緊張します。いつ落ちるかと心配で緊張して乗っています。それに飛んでいる間は落ちないように念力をかけているので消耗します。特にこの日は台風15号が沖縄方面にいて本州を狙っています。どんなに揺れるかと心配していましたが、意外やスムースなフライトでした。それに搭乗前に飲んだビールで少し緊張も和らいでいたのでしょう。

高知空港で携帯工具を受け取ったところでようやくへたっぴカヤッカーさんと会えました。バスでは間に合わないのでタクシーで高知駅へ向かいます。すると途中から土砂降りの雨。遠い台風15号の影響で断続的に降っているようです。それに紀伊半島に大きな被害をもたらした台風12号が去って間もないので、この日の吉野川池田ダム流入量3000t/秒。昨年のツアー時は30t台でした。この雨で明日からどうなるのかと不安を抱えながら高知駅に到着。
すると駅では「遅れている列車もありますので、構内放送に注意してください」と電光掲示が出ています。下り列車はかなり遅れているようです。あれまー、と思っても乗るべき2120分発上り「しまんと10号」の情報がありません。駅員さんに聞いても遅れているという程度の事しかわからず不安が募ります。それでもやることもないので駅のベンチで過ごしました。しばらくして構内放送があり、30分程度の遅れらしい。そこでホームに入って待っていると、結局40分ほど遅れて列車が到着、でようやくの乗車。しかし途中はほとんど徐行区間で、時間は普段の倍、2時間かかりました。でも車内には我々二人しかいない貸し切り状態でした。ま、慌てなくても良いかとビールを飲みながら夜の列車旅を楽しみました。目的の阿波池田に着いたのは午前0時を回っていました。そんな時間にもかかわらず駅にはClass5Yaraengerさんが迎えに来てくれていました。ありがたい!そこから車で約20分、阿波池田ユースホステルに到着。
10時台には到着しているはずだったのですが
深夜にもかかわらず駅まで迎えに来てくれたYararengerさん、ありがとうございました
 
これでようやくこのツアーのメンバー11人と、ガイド2人の合計13人がそろいました。今回のガイドはClass5Yararengerさんに加え、台風の被害にあったばかりの熊野エクスペリエンス上野氏の豪華な二人です。
この日、我々以外にもいっぱい冒険があったようです。徳島から来るはずだったActonさんは、列車も高速道も止まっていて難儀したこと。この日なんとか下れる川を探してあちこち走り回ったが、結局下れなかったことなどなど話は深夜まで盛り上がりました。
結局1時過ぎてようやく就寝、明日からのツアーに備えました。やれやれ、これでやっと今回の冒険の序章を書き終えました。翌日からはどんどん凄いことに・・。