2011年10月16日日曜日

至福の前半、苦行の後半、摺上川


1010日は摺上川に行ってきました。
109日に桧枝岐川を漕いで、そのまま桧枝岐の民宿「松源」泊。翌日は大芦川にしようか、那珂川那須コースにしようかと相談していたところ、福島カヌー教会元やんさんよりお誘いを受け、ちょいと摺上川へ(これ、パクリですね)。
10日朝6時半に桧枝岐を発ち、西那須野塩原へ戻って東北道へ。福島飯坂インターを出た待ち合わせ場所のコンビニに着いたのは9時半前でした。この日のメンバーは元やんさんと黒磯カヌークラブのマツさん、そして桧枝岐から移動してきたDOHAさんへたっぴカヤッカーさん、私の合計5人です。買い物を済ませ早速川へ向かいます。すると、高速インターからほんの10分程度でゴール地点の田下に到着。橋の下で着替えをして車一台を残し今度は約7Km上流、スタート地点の滝野発電所へ移動します。途中には災害のため(震災か7月末の豪雨かは不明)道路工事があり、超辺鄙な山道の片側交互通行で迂回しました。滝野発電所に入る道もすごく狭くて両側を擦りそうになりながらなんとか通過しましたが、スタート地点には車数台が置けるスペースがありました。
さて、地元の元やんさんをリーダーにスタート。いきなり気持ちよい瀬が続きます。落差はかなりありますが、険悪さはなくリラックスして楽しめます。景色も素晴らしい。高い絶壁、美しい木々、そしてこの日も快晴!例えて言えば、鳩ノ巣渓谷の核心部までのような、落差がある気持ちの良い瀬が延々と続く感じというところでしょうか。しかし、この至福のダウンリバーはこの日の行程の約4割で終了。堰堤を担いで超えた後は川相ががらりと変わりました。
この日のメンバー5人

駐車場からすぐ川に入れます

この日も快調なへたっぴカヤッカーさん

前半はこんな感じの瀬がテンポ良く現れ気持ちよく下れます

後半からはもろい地質の場所が多いためか、あちこちで土砂崩れが起きていました。元やんさんも震災後の摺上川は初めて下るそうですが、地震で崩れたり、大雨で崩れたりしたようです。所々に倒れたばかりの木も横たわっていました。今にも崩れ落ちそうな所もあり、かなり緊張を強いられました。そしてシーブや堰堤を含め56カ所はポーテージしたでしょうか。途中からは相当消耗してゴールが待ち遠しい感じでした。それでも元やんさんの的確なリードで午後2時には無事ゴールにたどり着けました。
後半はこんな感じの落ち込みが増えてきます

プレイボートで安定した漕ぎを見せたマツさん

こんな木の下もくぐって行きました

土砂崩れもリーダーの的確な指示で無事通過

着替えた後はみんなでとんかつ屋へいって疲労回復。私はカツカレーをいただきましたが、なかなか美味しかったですよ。
ところで、今回もヘルメットに着けたV.I.O.POVHD1980x1080モードで撮影しましたが、ファイルが大きすぎて編集に時間がかかり、動画を作るのは断念しました、トホホです。今度から1280x720にしておきますね。

2011年10月14日金曜日

1Q84な桧枝岐をゆく


109日は桧枝岐に行ってきました。この7月末の新潟福島豪雨後初の桧枝岐漕行だったと思われます。

6時半にへたっぴカヤッカーさんと我が家を出発。東北道西那須野インターを降りて田島を通過するまでは、これまで何度も通った時と同じ風景でした。しかし舘岩が近づいてくるとなんとなく道路工事が多くなって来たことに気づきました。やがて内川の集落近くまで来ると大きな土砂崩れがあり、道路が片側通行になっていました。山肌がむき出しで、扇型に土砂がくずれており、道路をまたいで舘岩川まで土砂が流れ込んでいます。とりあえず道路の土砂を取り除いただけという感じで一応通ることはできました。その先の沼田街道を左折して桧枝岐に向かうと、さらにひどい状況の連続でした。桧枝岐川の支流というには小さく、普段は流れがあることすらわからないような小さな沢が、ことごとく大増水したらしく沢の両岸が崩れています。どの支流もV字型の直線水路のようになっていて、川底から2~3mは土砂に覆われた状態です。沢の近くでは木が根こそぎ倒れていました。流れてきた土砂は所々で沼田街道をまたぎ、桧枝岐川まで流れ込んでいます。大破した別荘や、家が流され土台だけ残った所などもありました。道の両脇にも土砂や倒木が残ったままです。小豆温泉の方に話を聞くと、豪雨のため土砂崩れがあちこちで起きて、桧枝岐村は1週間も孤立していたそうです。今も奥只見に通じる道路は通行止めのまま。今回本当は只見川上流部を漕いでみたかったのですが、とても無理な状況でした。屏風岩駐車場に行くと、大量の土砂が山積みされていました。道路から取り除いた土砂の仮置き場になっているようです。
屏風岩駐車場には大量の土砂が置かれていました

午前十時、その駐車場でDOHAさんと落ちあい、この日のメンバー三人がそろいました。さっそく着替えてゴールの双六へ向かいます。スノーシェッド途中の橋を渡った越郷沢の入口は扉が閉められていて、テイクアウトはできません。しかし、以前崖から登っていた場所のすぐ下流に、土石流が作った坂が道路から河原に続いていました。地元の方に通って良い旨の承諾をいただき、ここをゴールに設定しました。今度はスタートに戻りながらもう一度川を詳しく観察。水量は普通程度にありそうでしたが、全体に土砂で埋まって浅くなっている印象です。それに岩の配置がなんとなく違うし、岩が白く光って見えました。川砂で表面が削られてピカピカになったようです。今までと同じようで少し違う桧枝岐、1Q84の世界に迷い込んだような気分です。
さて、いよいよS字ねじり滝下からスタート。S字滝もほかの瀬と同様、底が浅くなって落差が減っている印象です。とくに二段目は険悪さが消え、ただの落ち込みのように見えました。右岸側に岩がありますが、そこに流れが当たっているという感じではなく、本流の横にちょこんとあるだけ。これなら私も行けそうな感じ!Yararenger師匠に実際に見て判断を仰ぎたいところです。スタートのプールに降りてみると、ここもとても浅くなっていました。しかしここも含めて下るのに困るほどのことはありませんでした。私がリーダーを仰せつかり、先頭を漕ぎました。ログがひっかかったり、なにか新たな障害がないか心配で多くの瀬をスカウティングしながら慎重に下ってゆきましたが、以前よりもどの瀬もマイルドになっていました。
S字ねじり滝は1段目の落差も減り、2段目も危険な感じは無くなりました。行けるんじゃないですか?

快調にとばすヘタッピカヤッカーさん

この日がバーンL進水式のDOHAさん

カエル飛びの瀬も下が土砂で埋まって落差が少なくなっていました。ただこの日の印象では巻きが強くなっている感じです。カエル跳びの手前にある岩も微妙に配置が変わっていました。その後の瀬も、岩の配置が変わったり、浅くなっていたりしましたが基本形は同じでした。ところが、イナズマドロップに来ると??です。はて、この辺がイナズマだったはずだが・・。良く見ると、イナズマ前の馬のような形の大岩は土砂に半分埋まって小さく見えていたのでした。その周囲もソフトボール大から人の胴体くらいの大きさの岩が埋め尽くしています。イナズマドロップはまったく形を変え、ただの小さな落ち込みとなっていました。色即是空、形あるものはいつか必ず形が無くなります。大地とて同じこと。地球の悠久の歴史の中ではほんの些細な変化です。ただ、かつてのイナズマドロップを漕いで最後に成功したのは南極3号さんだという事実はいつまでたっても変わりません。空即是色、南極3号さんに栄光あれ!
元イナズマドロップ、上流側より

これがあのイナズマの変わり果てた姿、時の流れは恐ろしい・・・


その後の瀬も慎重に見ましたが、リスクは減りこそすれ増えた場所は見当たりませんでした。ただ、次に増水したらどんな風になるかは全く分りません。今回、幸いにも流れの中にログはありませんでしたが、周囲の山崩れの中には大量の倒木が見られました。これがいつ本流に入ってきても不思議でない状況です。今後はどこでも障害物がある可能性を想定しながら漕ぐ必要があります。午後二時には無事ゴール着。その後はおやじ三人で桧枝岐の民宿、松源に向かいました。この宿、薬膳料理が売りです。民宿ながら地元料理のフルコース、たっぷり味わい大満足の一日でした。
豪雨後初の(たぶん)桧枝岐降下を終えたオヤジ達

桧枝岐民宿松源の薬膳料理、まだ写りきらない料理がたくさん

今回の動画はV.I.O. POV HDをヘルメットに着け撮影しました



2011年10月5日水曜日

Class5ブーフクリニック


104()Class5ブーフクリニックを受けてきました。
ブーフとはホールなどの危険箇所を飛び越えて回避する技術で、クリーキングやダウンリバーには非常に大切です。以前から是非習得したいと思っていたのですが、偶然前の晩にこのクリニック開催を知り、無理矢理参加させてもらいました。
この日は快晴、御嶽には気持ちの良い秋空が広がっていました。区間は放水口から軍畑まで。参加者は初めてご一緒するDOHAさんとベビトラのMさん、そして私の三名です。まずはみっちり座学から。うーん、なるほど。これまでよく理解できていなかったブーフが、おぼろげながらその姿が理解できました。川に下りてからはまずはSターンの練習。かなりブーフに近いです。それにブーフテクニックはエディキャッチにも使えます。
多摩川はまだ濁って底は見えませんが、先週よりは綺麗になってます

エディーキャッチとSターンを繰り返し練習

パドルを押さえて、腕で漕ぐのでなく船を動かす練習

ブーフの実行に当たっては角度、リーン、パドルの位置が重要。さらに先行動作、水のキャッチも重要。腕を引いて漕ぐではなく、船を走らせる・・。どれも基本がしっかりできていれば簡単に応用できるはずの事ですが、これがなかなか。何度も沈をしながらトライして、最後はヘトヘトになりました。
ブーフは一日でならず。まだまだほんの入り口を覗いただけですが、また講習を受けてなんとか身につけたいものです。これがしっかりできれば、より難度の高い川にも行けるようになるでしょう。
多摩川は先月の大雨でまだ濁っていましたが、先週よりはかなり綺麗になってきたようです。今年中には清流に戻りそうですね。