今回は前回ゴールの福島県楢葉町「道の駅ならは」をスタートし、一泊二日で宮城県の塩竃神社を目指します。そして今回乗る自転車はロードレーサー。それも25年前の旧車です。サカエのアルミフレームに、デュラエース7410(初めてのSTI)で組み、タイヤはもちろんチューブラー。クラインのATBに比べると乗り心地は固いですが、軽くてスピードが出るので距離は稼げます。
ちょっとはやめの夏休みをとって6月28日、朝9時過ぎに道の駅を出発。天気は曇りで蒸し暑く、時々小雨。やや向かい風で自転車にとってはかなりキツイ天候でした。
優しそうなお巡りさんに職質を受ける。この方は高知県警から1年間の出向だそうです。 |
さて、双葉町から南相馬までの帰還困難区域は高線量のため歩行者・二輪車は通行できません。その限界点まで自転車で行き、あとは車で通過しました。
その車から見る風景は、深く心につき刺さるものでした。かつて人が暮らした家々はバリケードで封鎖され、入れなくなっています。店舗はガラスが割れ、商品が散乱したまま。田んぼは、もう田んぼとは見えずただの荒野です。日本の自然が美しいのは人の手が入っているからなんですね。全く荒涼とした世界でした。今年末から帰還を始めるって・・、本気ですか?賠償をしたくないからそんなこと言ってるのでしょと穿った見方をしたくなります。とにかく、日本にはノブレス・オブリージュは無いのですね。というかその真逆の社会、弱いものしか罪を問われない社会ですね。
大津波を予測できなかったため、自動車教習所の人は罪を問われ、放射線をまきちらした東電も政治家も誰も罪を問われない。それを見たらまた再稼働しようと思う人がいるのも当然ですよね。
でもこの現場を見たら、復興はそんなに生やさしくない事がはっきりします。またもし万一別の場所で同じような事故が起こったら、今度こそ日本は死んでしまいますよ。
すべての家はバリケードで封鎖されています |
おそらく田んぼだったと思われる荒野 |
南相馬の太田地区からはまた自転車可能となっていました。再度自転車で相馬を目指し、国道6号を北上します。天気はやや回復するも向かい風。風景は次第に普通の日本の風景に戻り、やがて相馬市内へとたどり着きました。
この日のゴール、相馬駅にて |
相馬駅についてからは、この日お宿、茂庭温泉に車で移動。
翌朝は相馬駅に車で戻ってきてスタート。相馬は落ち着いた良い町並みですめ。でも郊外は殿にでもあるチェーン店が並んでいるだけですが。
相馬を出て新地町を過ぎると山元町。ここはかなり広範囲に津波にやられていました。国道6号のすぐ海側には、いまも不通のままの常磐線の工事中が大規模に行われていました。でも私の生きている間に常磐線で仙台まで行けるようにはならないだろうな。
向こうに見える高架があたらしい常磐線 |
この日は天気も回復、しかもやや追い風となり良好なコンディション。しかしなぜか右のアキレス腱が痛み出し、次第にスピードが上げられなくなってきました。それでもなんとか予定通りに進み、阿武隈川を渡って岩沼市に入ります。その後すぐ国道6号から4号線に曲がり、さらに仙台空港方面に曲がって行きます。なんと空港滑走路の下のトンネルを通過、名取市へと進みます。この辺でGoPROのバッテリー切れ。しかしこの辺はまったく味気ない風景でした。海側では堤防と道路の工事を延々とやっており、通った県道はトラックとトレーラーがほとんど。途中にコンビニもなく、周りには稲の植わってない田んぼが広がり殺伐とした風景。ようやく見つけたコンビニで遅い昼をたべ、また塩竃に向かいます。それでも仙台港を過ぎると道も風景も次第に普通になってきます。
脚も相当きつくなった頃、ようやく塩竃市に到達。しかしゴールの塩竃神社がなかなかわからない!なんどかうろうろして、最後きつい坂を登りなんとかゴール!
塩竃神社は非常に由緒ある立派ぁ神社でした |
いや、時間があったらもっとみたかったなぁ。
動画はこちらでご覧ください
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